フィールド•ノート1 RHODIA

RHODIAのノート

フィールド調査をする際、常に手もとから離す事なく持ち歩くフィールド•ノート。現地で集めた情報や測量などのデータから、調査旅行の細々とした記録、研究アイデアのメモなどをどんどん書き込んで行く。現場の雨、雪、砂に耐え、幾度となくポケットや鞄から出し入れされてもへこたれないように頑丈で、片手で持って書く事ができ、常に持ち歩くのに適切なサイズ、重さでなければならない。慎重に選ばないといけない大事な調査の装備の一つだ。
ペルーでお会いした、日本の調査隊の方々の多くはフィールドワーカーには定番のコクヨの野帳 (セ-Y3)を使っておられた。草色のハードカバーの野帳をゴアテックスのジャケットの内ポケットから取り出して、3mmの方眼になにやらデータを書き込んでいる姿はいかにも調査者の姿である。一度日本の大学の研究室を訪れた時には、以前発掘隊の御用達だった特注の、布張りの、名前入りのフィールド•ノートを見せていただいた事がある。経験の中で出された答えとしての、カスタムメイドのノートは非常に存在感があった。残念ながら最近では使っておられないようだったが、僕もいつかそんなノートを作ってみたいと感じた。
米国の調査隊ではとくにコレといったものを観察する事はできなかった。皆それぞれに選んだノートを使っていたようだが、同じモノを毎年選んでいるというようでもなかった。あまり拘らない米国人らしいのかもしれないが、こういったモノを見つけることに喜びを感じる僕にはちょっと残念だった。強いて言えば、大学のブックストアで売っている、化学実験室で使う方眼ノートを使っている人が多かったか。もしかしたら他にもあるのかもしれないのでまた機会があれば観察してみたい。
僕が学生時代使っていたのはロディア/メモ帳 NO.14のポケットサイズの方眼のノート。表紙をくるりと折り返す事ができ、片手でホールドもできる。オレンジ色の表紙は目立つのでまあなくす事も無い。一ページづつ切り離す事ができるので、京大型カードのようにデータの整理もできる。毎年何冊も買い込んで現場に持ち込んでいた。持ち帰ったRHODIAが何冊となく本棚にならんでいるが、こういったモノは眺めているだけでも楽しい。
(ロディア/メモ帳 NO.14)

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