
RHODIAはページ毎に切り離す事ができ、そこが便利ではあるのだけど、強度的な弱点でもある。タフな使われ方をする現場では長く使っているとだんだんバラバラになってしまう事がよくあった。また表紙が厚紙なので痛むのも早く、ボロボロのノートでは街中で使う時や先生方の前で取り出す時にはちょっと気になる。RHODIAには革やコーデュラ•ナイロンの専用のカバーがいろいろと出ている。その時々の服装や靴、財布などの小物に合わせて着替えられるのは素晴らしいし、一度使ってみたいと思っている。ただ街で使う分には良いけれど、フィールドでは頻繁に使うものだしすぐに開いて書き込めないといけないので、ちょっと煩わしい。
そんなわけで、最近ではMOLESKINのスケッチブックを使っている。オイルクロスの固い表紙は強度に申し分なく、片手で持って書き込むのに適している。ポケットに入れるに丁度よい大きさで、ゴムバンドで閉じるのですぐに開ける事ができる。栞もついているのでページにアクセスもしやすいし、裏表紙のポケットにはその日もらった名刺やチケットなどをしまっておける。
もちろんフィールド•ノートとしてだけでなく、ボストンにいるときは建築のスケッチブックとしても使っている。建築家やデザイナー、学生にも人気があって、一度教室で見回すと半分ちかい学生がMOLESKINを使っていた事もある。デザインのアイデアやメモ、スケッチなどを書き留めるのにいつも持ち歩いているわけだ。建築のスタジオの教授の中にはスケッチブックを評価の対象にする人もいる。学生が普段どれだけ課題のデザインについて考えているかを審査するのだ。スケッチブックとしてはプレーンがよく使われているようだが、僕はRHODIAの頃から慣れているので引き続き5mm方眼のスクエアードを使っている。一度教授に指摘されたけれど、こういうモノは慣れだからしかたがない。
昨年ペルーでの調査にも使ったが、ジャングルの雨の中なかでもへこたれる事無く、ポケットの中でその固さがとても頼もしかった。ちなみに、インディ•ジョーンズが映画の中で使っているのもこのMOLESKINなのだけど、べつにそんなシーンに影響された訳では、たぶん無い。