フィクシーに乗る

ロードをフィクシーに改造

FELTには満足していたのだけど、ずっと気になっていた自転車がある。フィクシーやピストと呼ばれる固定ギヤのシングルスピードバイクだ。本来トラック競技に使われる種類のもので公道を走るものではないけれど、そのシンプルさや頑丈さからメッセンジャーが好んで使うようになったようだ。ボストンにもメッセンジャーはたくさんいるが、ピスト(含ロード改造のフィクシー)に乗っている人がかなり多い。
固定ギアでタイヤも細くブレーキも付いていず、街中ではひどく取り扱いが面倒に見えるこの自転車は慣れれば身体の延長のようにコントロールする事ができる。もともと競技車両なだけに微妙な操作にも俊敏に反応し、軽量で機動力も高い。最近ではメッセジャーだけでなくマニアックなファン層をがあるようで街角でよく見かける。シンプルで速度をダイレクトに感じる事の出来るピストにこだわってのる人達は彼らのライフスタイルを反映するモノとしてピストを選んでいるのかもしれない。メッセンジャーバッグや周辺のファッションも含めてすでにひとつのストリートカルチャーをかたち作っているようだが、若年層をメインとしているわけではなく幅広い年齢層にファンがいるようで、僕の周りの建築やデザインをやっている人にも愛用者が多い。
以前短期間京都の事務所でインターンをする機会があったのだけど、実家に置いてあった古いロードをフィクシーに改造してみた(写真)。最初は加減速の多い街中でも常にクランクしていなければならない事にとまどったが、しばらくすると慣れてそれが自然になってくる。自転車と身体の運動と速度が途切れる事なくリンクしていて自転車との一体感を感じられる。百万遍のアパートから三条や木屋町へ浸透していく時、細い路地を通り抜けて行くのはとても楽しく、毎晩のように乗っていた。
こうなるとボストンに帰ってもぜひピストに乗りたいと思っていたが、その後トラック競技用のGTのピストを手に入れてFELTから乗り換える事になる。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です