
ちょっと街でスナップをするときやパーティで友人を撮ったりするときにはデジカメを使う事が多くなったけれど、以前はポラロイドをよく使っていた。まるっきりカメラに見えない佇まいは被写体を緊張させないという点でスナップ撮影にはとてもよい。革張りの、クロームボディのファインダーを持ち上げ、正方形のフォーマットを覗き込んでマニュアルでフォーカスを合わせる、一連の儀式のような作法も楽しく、独特の淡い描写も気に入っていた。メインの銀塩カメラにハッセルブラッドの500CMを使っているけれど、正方形のフォーマットの楽しさに触れたのはSX-70が最初だった。
今では専用のフィルムを見つける事は難しく、600フィルムのツメを削って使う事になる。描写がちょっと変わってしまうけれど、何しろ僕と同じ歳のカメラだししかたがない(最近SX-70 BLENDフィルムというものがあるそうだけど、これはまだ試していない)。最初に手に入れたのはシンプルな初代LAND CAMERAで、いつも手に届く机の上に置いておいてよく使っていた。ある時たまに自分も被写体になりたくて通りすがりの学生にシャッターを押してもらった際、フィルム排出口に指がかかっていて(SX-70はちょっと思いもかけない隙間から写真が出てくる。ちゃんと説明していなかった僕が悪いのだけど...)モーターの歯車のひとつかふたつ外れてしまったようで壊れてしまった。どうも直すのは難しいようで、その後二台目のALPHA1を手に入れた。これは初代モデルに三脚穴とストラップを追加したモデルだ。
ちょっとメモ代わりに、といったポラならではの使い方や、パーティでのスナップなど、さすがにデジタルの便利さには負けてしまう。最近稼働率はめっきり減ってしまったけれど、たまに欲しかったモノを買った時に記念撮影をする時なんかに使っている。もう何台か手に入れて、黒革やハラコに張り替えて靴や鞄に合わせるような使い方もしてみたい。もうちょっと気楽にフィルムが手に入れられるといいんだけど。