Control1のスピーカーエッジが加水分解でボロボロになっていたのでユニットごと交換した。Control1は言わずと知れたJBLの超定番コンパクトモニター。10cmウーファーと樹脂製小型エンクロージャーの、手軽にJBLを楽しめるCPの高いモデルだ。全世界で100万本以上売れたとかで、バーやカフェなどの商業施設にもよくぶら下がっている。
このスピーカーを入手したのは94年の年末。直後に起きた阪神大震災でスピーカー台から転げ落ちたから、年代までよく覚えている。壊れはしなかったものの、財布の薄いガキがやっと手にした初めてのJBLが購入後一ヶ月もしないうちに固い床に叩き付けられたのだから、悲しい思い出だ(その後続々と入ってくる地震のニュースで、それどころではないことを知らされるのだが…)。その春には僕は渡米したので、結局使ったのは半年ほどだけだった。今回兵庫に戻って来て小さなスタジオを借りたのだが、ボストンから持って帰って来たElectroVoice S80を置くにはどうにも狭すぎた。そこでControl1があったことを思い出して、引っ張りだしてきたのだ。
地震にも耐えたControl1だけど、ウレタンエッジの経年劣化は避けられない。それは硬化していて、触るとボロボロと崩れた。エッジの張り替えも考えたが、手許にあったElectroVoiceの205-8aユニットと交換してみることにした。Altec-405aのEV版とも言える10cmフルレンジの定番ユニットだ。フルレンジのオープンバッフルスピーカーを自作しようと入手していたものだが、同じ10cmだしこれをそのまま使えないかと考えた。JBLとEVと同じAltecつながりで、EV S-80の代打にするにはちょうどいいじゃないか。インピーダンスも違うし、ツィーターとの兼ね合いは..まあ細けぇこたぁ気にしない。
調べてみるとControl1の交換用に使っている人も多いようで、実際やってみるととてもかんたんだった。アーレンキーでネジを6本外してバッフル板をひっぺがす。バッフル板はネジだけでなく接着剤でも固定されているのでここは力技だ。開けてしまえば、ケーブルを外して、ユニットを固定しているネジを4本外し、205-8aと交換するだけ(このネジも接着剤で固定されているが、接着剤も劣化していたのでネジは回すことができた。固ければ接着剤を溶かす必要があるとか)。サイズもネジ穴もぴったりで、何も加工する必要はない。10分もかからない作業だ。
数日間使っているが、満足して使えている。中高域がさらに伸びてくれている気もするが、まあエッジの劣化した交換前のものと比べてもしかたがないか。今のところ特に問題は感じず、小さなスタジオで酒を飲みながら音楽を聞く分には十分使えている。