
ボストンは米国でもっとも古い街の一つだけあって米国にはめずらしくヒトのスケールに収まっている。バックベイやダウンタウンなどの中心街から、我等がレッドソックスの本拠地であるフェンウェイ、ハーバードやMITなどのあるケンブリッジ市などは一日あれば歩ける範囲にある。地下鉄・路面電車も走っているけれど自転車で動き回るのに丁度よい街だ。
日本にいた十代の頃は結構自転車に乗っていた。高校の寮からも自転車通学で今では懐かしいアラヤのマディフォックスを愛用していたし、友人から引き継いだロードにも乗っていた。その後留学した先が中西部の田舎の全寮制の学校だったため自転車と縁は無かったのだけど(車移動がメインで自転車で動ける範囲なんてもとうもろこし畑しかなかった)、ボストンに来てからは殆ど乗る事の無い車を手放して建築事務所への通勤という名目でロードバイクをさっそく手に入れた。
選んだのはドイツ生まれのFELT F85。トライアスロンバイクで定評があったけれど最近はロードもかなりメジャーになってきているようだ。モーターサイクルとバイクのデザインでは伝説的なジムフェルト氏とイーストンの組み合わせ。とにかく誰がどう乗っても乗りやすいと評判で(デザインとしてすごい事だ)、久々の自転車生活のスタートには良いかと思い選んだ。フレームはそのままでビギナー向けのコンポを使ったコストパフォーマンスの高いモデルを選べたので、フレーム目当てで購入しておいて少しずつ改造していく楽しみもある。
クロモリの時代のロードしかしらない僕にはフルアルミは硬すぎて慣れないかとも思ったけれど、さして違和感を感じる事も無かったし、そんな事よりもその現代的な軽いフレームに驚いた。週末はもちろん通勤や街探索と毎日のように乗っていた。当時働いていた事務所では地下に自転車をおかせてもらえたので盗難の心配もなく(治安の良いボストンだけどさすがにロードを道端に止めるのは危険すぎる)四年ほど愛用していた。
さて、このFELTに満足していればよかったのだけど、一旦自転車に乗り出すとまた物欲が刺激されて知らないほうが良かったかもしれない情報を集めだしてしまう。ボストンが自転車向きな街である事もありいろいろと気になりだす。その後FELTを手放して何台か手に入れて行くのだけど、また少しづつ紹介していきます。
外に出られない日々

修士のプログラムは既に必修単位も終わっていて後は修士設計の発表(段階を追って四回もある)するだけなので授業はない。インターンの仕事以外の時間は夜中まで学校のスタジオスペースで黙々と修士設計を進めている日々。
年が明けてからは考古学の方の作業で閉じこもっている。家にいるとダレてしまうのでスタジオで建築をやっているフリをして考古の仕事をしている。まあ僕の修論と修士設計自体が考古学にからんだテーマなのではたから見ても同じ様な作業なのだけど。
とはいえ昨年秋からずっとポートフォリオ作りやら修論やらインターンの仕事やらで引きこもりがち。正月も帰国できなかったし、発表が忙しくなるまえにちょっと遊びにでも出たいのだけどこのところボストンは雪でべちゃべちゃだ。つい先日は-10℃まで下がったし結局表にでられない。
そういや夏に手に入れたGTのピストもあまり乗っていない。壁にぶらさがってオブジェになっているか夜中に弄られて酒の肴にされているか。おかげで改造だけはどんどん進んでいる (写真はまだ暖かかった頃のもの)。
ブログ始めました
huaqueroが日々の雑記から写真、お気に入りのモノの紹介などとりとめもなく綴って行くブログになる予定。
ブログ主はボストン在住の大学院生。もともと人類学、とくにアンデス考古学を専攻し、ペルーやチリでの考古学調査隊にも参加していたのだけどなぜか建築修士課程に転学し今に至る。もともと身の程知らずなので未だに両立できると思い込んでいる。
ちなみにタイトルのhuaquero/ワッケーロとは南米のケチュア語で神聖な場を意味するワカを荒らす盗掘者という意味。はじめはウケねらいでHNなどに使っていたのだが友人達との間でも定着しているのでそのまま使用した。考古学を学ぶ者としてはふさわしくないタイトルかもしれないけれど、ご容赦を。